あなたがなにに傷つき あなたでなくなったのか あなたの哀しみの深さを 私は知りません。 ですが、あなたが私を必要としてい… | 本で出逢った感動の名言

トランス
著者: 鴻上 尚史
ISBN:4560035970 / 発売日:2005-11-15
出版社.: 白水社

本で出逢った名言・名セリフ

あなたがなにに傷つき あなたでなくなったのか あなたの哀しみの深さを 私は知りません。 ですが、あなたが私を必要としていることだけは、私は分かります。

トランス より

そのセリフに感銘を受けた理由

「トランス」は久しぶりに再会した高校の同級生3人が精神病院で繰り広げる妄想劇です。三者三様の思いがあり、高校時代を思い出しながら、楽しそうに会話を繰り広げていきます。ただし、誰が本当のことを言っているのかわかりません。立場もコロコロと変わり、複雑な三角関係もあってか、時には嫉妬のために相手をののしったりもします。くるくると証言が変わり、何が本当で何が妄想なのか混乱したまま幕を閉じてしまいます。

そして、最後に3人が読み上げるセリフの一部がとても好きです。物語は軽いタッチで展開していくのですが、最後のこのセリフを読んだとき、胸がギュウっと締め付けられるようでした。どんなにぶつかりあっても、相手を受け入れようとする心の強さや愛情の深さ。理解したいのに理解できない悲しさ。それでも必要とされている喜び。そんな気持ちがにじみ出てきているように思えます。

回答者:30代 女性

トランス
著者: 鴻上 尚史
ISBN:4560035970 / 発売日:2005-11-15
出版社.: 白水社

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