「でも、幸せ。心はいくら痛んでもしょせん心、目には見えない、形もない、気分次第の、不確かなものなの… | 本で出逢った感動の名言

かわいそうだね?
著者: 綿矢 りさ
ISBN:4167840022 / 発売日:2013-12-04
出版社.: 文藝春秋

本で出逢った名言・名セリフ

「でも、幸せ。心はいくら痛んでもしょせん心、目には見えない、形もない、気分次第の、不確かなものなの。形の無いものをいくら痛めつけたって、少なくとも死ぬことはない。私は生きにくいから、無理は心に背負わせるの」

かわいそうだね? より

そのセリフに感銘を受けた理由

アキヨのこの言葉は、これ以上傷つきたくない、もっと認められたい、誰かに必要とされたいという心の叫びだと思います。アキヨは自分のプライドを粉々に砕かれても幸せをつかもうとしています。心が痛み続ければいつか限界が来ます。彼女は心が痛んでも少なくとも死ぬことはないと強がっていますが、心が折れて立ち直れなくなれば、いつか自ら死を選んでしまうかもしれません。

そんな状況でも彼女は憐れみの目で見られること、同情されることに必死で反発しています。甘えん坊で頼りなく見えるアキヨが最初はあまり好きになれませんでした。このシーンでアキヨにグッと感情移入してしまいました。どんなに辛い状況に追い込まれても、孤独を抱えても、崖っぷちに立っても生きることを諦めないアキヨが見せた意外な強さが好きです。

回答者:30代 女性

かわいそうだね?
著者: 綿矢 りさ
ISBN:4167840022 / 発売日:2013-12-04
出版社.: 文藝春秋

あわせて読みたい