【書評】宗教の役割や成り立ち、習慣や戒律について明瞭に解説されている | 日本人のための宗教原論―あなたを宗教はどう助けてくれるのか


日曜日になるたびに教会に行く人、豚肉を食べない人、ポピュラーなものに関してはたいていの日本人は知っていると思いますが、本書の内容はそういう基本的なところからもう一歩踏み込んだところ、例えばイスラム教圏の人々がキリスト教圏の人々にどんな感情を持っているか等をその理由から分析・解説しています。

宗教的な物に対する理解を深めるというだけに留まらず、身近にある様々な文化、習慣などに対して宗教的な観点を交えて考えることが出来るようになるのに加え、著者が書かれているように例えば新興宗教的な物に関してもそのタイプ(戒律や中央的教義など)や既成宗教と比べてどこが違うかおかしいかなどが理解できるようになるので、そういったものに対して妄信したり騙される事も少なくなります。

国際化の進む昨今の国際社会においては内政・外交に留まらず、民生的な分野でも宗教的な知識の有無が成否を分けることはとても多くなっています。単に宗教的理解を目的とするというよりはビジネスや人間関係全般にとって役に立つことは間違いないでしょう。

回答者:30代 男性


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