【書評】判例実務に積極的に切り込むからこそ、より深くそれを理解することができる。 | プラクティス民法 債権総論

プラクティス民法 債権総論〔第4版〕
著者: 潮見 佳男
ISBN:4797225971 / 発売日:2012-04-18
出版社.: 信山社

民法債権分野の権威である京大学派潮見先生の基本書です。契約法は実務と学説の乖離が甚だしい分野ですが、その学説の中で、異端にして最有力学説を主張していらっしゃる潮見先生の全てが詰まっています。

判例実務に対する批判、そして理論的な自説の展開を、いくつもの具体的設例を付しつつ論じていらっしゃいます。素晴らしいのは、その判例の批判を通して自説を展開しつつも、受講生が司法試験をいざ受験するにあたっては、決して自分の学説を採用した答案を書かないようにご指導される点です。

本書を通じて、判例実務の理論の問題点をよく理解できるからこそ、より説得的に判例実務に沿った見解を展開できるようになるので、京都大学法科大学院の学生の司法試験における民事法の成績が突出して高いことも頷けます。

契約の内容解釈が基礎に置かれた論理展開は、学会内でもその論理性には定評があるようです。

回答者:30代 男性

プラクティス民法 債権総論〔第4版〕
著者: 潮見 佳男
ISBN:4797225971 / 発売日:2012-04-18
出版社.: 信山社

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