アスペルガーから見た、アスペルガー症候群の人たち | [書評]隠れアスペルガーという才能

隠れアスペルガーという才能
著者: 吉濱 ツトム
ISBN:4584124965 / 発売日:2016-01-09
出版社.: ベストセラーズ

日本人の20人に1人は「隠れアスペルガー」!?

まず始めに言っておきますが、私もアスペルガー症候群であることを医師から診断されている一人です。アスペルガーはいわゆる欝病のようなストレス性の病気だと思われがちですが、生まれつきの脳の器質的障害を指します。

本書では、隠れアスペルガーについてこう説明しています。

一度に2つ以上のことを同時にできない。人に対して異常に緊張する。人の言葉の裏を読めない。ちょっとしたころでパニックを起こしてしまう……こういったアスペルガー症候群の症状を持つ、一見普通の「隠れアスペ」の人たち。

また、このような判断方法もあるようです。

学生時代まではそれほど生きづらさを感じていなかった人も、社会に出て初めて「自分はちょっと人と違うんじゃないか?」と気づく。そして人生につまずいてしまうというのが、よくあるパターンです。

うーん、まさに私の事を言われています。
私はグレーというか、もう少し黒みがかったアスペルガーですが…。

アスペルガーの人は定型発達の人に比べて、得意分野や興味関心に大きなムラがあります。一般的に対人関係や急な環境変化に苦手な人が多く、機械や数字に強い人が多いので、IT関係で活躍しているアスペルガーの人は多いようです。IT産業がさかんなアメリカ・シリコンバレーにもアスペルガーの人が多いことから、アスペルガーは「シリコンバレー症候群」とも言われているくらいです。

どこまでが「個性」で、どこからが「障害」なのか

人間の脳は一つとして同じ作りのものはないので、誰でもどこかしらの機能が非常に優れていたり、または人より少し弱かったりと、個人差や偏りが存在します。

私も自分のことはさておき、仕事やプライベートの人間関係で「この人変わってるなぁ、個性的だなぁ」と驚いてしまうような人はいます。しかし、本人がそれを確固たる個性として認めている場合と、コンプレックスとしてどうしようもなく悩んでいるのとでは話は別です。

自分ではちゃんとしているつもりでも、周囲からは「常識知らず」「KY」だと言われる。友達や恋人との人間関係を構築できない…本人が日常生活に支障をきたしているのであれば、それはもはや個性ではなく「障害」に分類されるのです。

アスペルガーに必要なのはローカーボ

この本で最も興味を持ったのが、「アスペルガーの人は積極的にタンパク質を取り、体を鍛えよう」という部分でした。私は根っからの菜食主義ですが、やっぱり体力には自信がありません。近所のショッピングモールに言っただけでめまいがするくらいです。私を含めアスペルガーの人は代謝障害を抱えている人が多く、基本的に体の弱い人が多いのです。

だからこそ肉や魚、卵、大豆製品やサプリでどんどんタンパク質を取り、炭水化物や糖分を控えたほうがよいのだとか。逆に小麦は悪玉コレステロールを増やしてしまい、体内のセロトニンが減少し、ただでさえ情緒不安定なアスペルガーの人をさらに混乱させてしまうそうです。

心理療法と同じくらい、体質を改善することは大切なようです。ヘタなスピリチュアルに走るよりは、断然現実的で合理的ですよね。得意分野をのばすこと、体質を改善すること。この大きなポイントを忘れないように生活していきたいと思いました。

隠れアスペルガーという才能
著者: 吉濱 ツトム
ISBN:4584124965 / 発売日:2016-01-09
出版社.: ベストセラーズ

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