対人関係で疲れてしまう、2つの”気遣い”とは? | [書評]対人関係療法のプロが教える 誰と会っても疲れない「気づかい」のコツ


間違った気づかいをなくす「目からウロコ」の本

日々気づかいをしているのに「あまり喜ばれない」「気を使いすぎて疲れてしまう」という人、案外多いと思います。

逆に「気づかいって疲れてあたりまえのものなのでは?」と思う人が大多数なのではないでしょうか。私自身同じような思いを抱えてこの本を読みましたが、まさに「目からウロコ」状態。「そうだったのか」「そこが間違っていたのか」と心の底から納得できる一冊です。

自己啓発本を読んで「こんなことくらいなら、とうに実行している」「頑張れとか前向きにと言う言葉は聞き飽きた」というそこのあなたの心にも、必ず響くこと間違いありません。著者が対人関係療法専門の医師であり、医学的な根拠に基づいた内容であるからこその説得力があります。

「いい人になろう」ではなく「あなたでも大丈夫」という視点

気づかいには「元気になる気づかい」と「疲れる気づかい」があることを取り上げています。2つの気遣いがの違いと、「疲れる気づかい」から脱するためにはどうすればいいのか例をあげながら説明してくれます。

それだけにとどまらず「気づかいが不可能である場面」についてもとりあげ、その場合の考え方と対応の仕方も教えてくれます。「いい人になろう」という視点ではなく、「人間の弱さや思い通りにいかない現実」を認めたうえで、そんなあなたでもこうすれば大丈夫と後押ししてくれる本です。読み終えた後には「明日からは大丈夫」と思え、爽快感と活力がみなぎるはずです。

単なる気づかいと侮るなかれ、気づかいは人生

前書きで著者はこう述べています。

どんな「気づかい」をするか、というのは、単に社会でうまくやっていくための方便にとどまらず、実は人生の質を決めていく、重要な心の姿勢です。

なるほど周りを見回してみると、真の「気づかい」の出来る人は、人の好意や信頼を得ることができ、協力も得やすくなるため、人生そのものが明るくて楽しいものになっていくように思います。


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