言葉に無駄のない主張ほど、人の心に残りやすい | [書評]できる説得

できる説得
著者: 多湖 輝
ISBN:4777104087 / 発売日:2006-05-22
出版社.: ゴマブックス

人に何かを伝える時の技術

人と会話をする中において、自分の意見を通したいという時があります。その事にどれだけ意味があったとしても、説得する技術がないということは相手に伝えることができません。

この著書の多湖輝氏は脳トレのゲームでも有名になった心理学者です。

説得力をつけるとは、自分の思いを人に響かせる技術を磨くこと

多湖氏はこう語っています。そうは言っても、難しいんですけどね。相手や場所によっては緊張してしまって実力が出ないこともあります。人前で意見を言う時など萎縮してしまえば、せっかくの良い意見も通らなくなってしまいます。

そんな時は、こうすべきだと語っています。

何でもいいから自分だけの”特技”を胸に思い浮かべること

誰でも1つくらいは誰にも負けないことがありますよね。それを思い浮かべて自信を持てば、根拠のない劣等感を消して堂々と発言することができます。私自身も意見を言う時には、自分が頭の回転が良くてキレる人ということをよく意識します。すると意外にスラスラと言葉も出てきたりするもんです。

要領よく話すためのトレーニングをする

意見を言う時には予行演習をしておくと良いです。著書の中でも書かれていますが、要領よく話すために5分、3分、1分と時間を区切って話す練習をすることとあります。

私は経済ニュースのポイントを絞って、経済に詳しくない人でも読めるようなコラムを書くことがあります。まとめる時って最初はダラダラ書いてみるのですが、そうなるとその話のどこがポイントかわかり辛くなったり、焦点がずれてしまいます。

言葉に無駄のない主張ほど人の心には残りやすい

一旦長くなった文章を後から削って短くしていきます。話すトレーニングでも、だんだん時間を削っていくと要点もまとまっていきます。結局は一番大事なことほど簡潔でいいことが分かります。

そしてCMなどでよく見かけるセールストークに「使用者の○%が納得」といった数字が出てきますよね。ですから伝えたいことと、データとして数字をセットで出すことで説得力は上がります。

実際書かれていることを少し意識して実践してみると分かりますが、誰でもやってみようと思ってやれるハードルの低いことばかりなんです。人前に立って意見を言う機会が多いけれど、うまく伝えられないと感じている時に、ちょっと開いて読んでみて欲しい一冊です。

できる説得
著者: 多湖 輝
ISBN:4777104087 / 発売日:2006-05-22
出版社.: ゴマブックス

あわせて読みたい