起業には「実現したいこと」「得意分野」「社会のニーズ」の3つが大事 | [書評]50歳からの起業術 ~シニア起業と独立を成功に導く実践的ノウハウ61~


起業についてのノウハウ&事例集

タイトルが「50歳から」と書いてあるので、基本は1企業で長年勤めて、何らかの理由で独立しようという人向けの本です。とは言っても、書いてある内容には、壮年期の人向けの部分と、青年期でも共通する部分が混在していますので、30歳、40歳ぐらいの方も参考になると思います。

本のタイトルが、50歳からを「シニア」としていますので、以降もそれに従います。

本書の概要

“ノウハウ61”とあるように、数えてみると確かに61個の項目で構成されています。ただし、すべての項目が「ノウハウ」ではなく、「事例」や「意識」についても書かれています。全8章のタイトルは次のようになっています。

1.シニア起業にはこれだけのメリットがある
2.押さえておきたいシニア起業の落とし穴
3.シニア起業で成功するテーマの選び方
4.起業にはどのくらいの資金が必要なのか?
5.起業直前、「これだけは」行うべき最終チェック
6.シニアの強みを活かす営業戦略
7.事業を持続させるための資金繰りと税金の話
8.最悪のシナリオに陥らないための防衛術

「実現したいこと」「得意分野」「社会のニーズ」が最も重要

まず、ポイントとして押さえておきたいのは、

大事なのは「実現したいこと」「得意分野」「社会のニーズ」の3つ

です。シニアの場合に、新たに起業するならこれまでにない何かを実現したいということがほとんどだと思います。ただ、新しいことに手を出すより得意分野を活かす方が安全というわけです。とは、言いながら、本書の中で、資格を取得して、「士業」(行政書士とか)を始めようという記述もありますが。基本は、得意分野でということです。事例のほとんども得意分野を活かしています。シニアだと経験がありますからね。そこは、資金調達のノウハウのところにも関係していて、得意分野であれば公庫あたりから資金を得やすいことが書かれています。

他にポイントとしては、「老後のために退職金には手を出さない」という著者の警告です。手持ちの資金を使うとリスクありますからね。とは言っても、どこかから借りるのならリスクは同じですが。

起業相談者数全国第一位の人気コンサルタントが書いた実例たち

帯に「起業相談者数全国第一位の人気コンサルタント」とあるように、本書の内容は実例にも沿ったもので、内容も詳しく、シニア(+若い人も)の起業に関する最低限のことは書かれています。ただし、あくまで最低限のことですので、例えば会社登記とか資金調達については概要ですので、それに特化した本をちゃんと読んだ方が良いです。


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