【書評】酸いも甘いも、生きていればこそ。心星を追いかけて、生きる姿に号泣間違いなし。 | みをつくし料理帳シリーズ
男社会の中で、女の細腕で未来を切り開いていく主人公を見ていると、自分にも何か力があるような気になれ、仕事をする勇気を貰えました。
また恋愛は江戸の昔も現在も、気持ちは変わらないものだと感じました。年頃の女性が様々な恋愛模様に揺らぐ姿は、現代の私たちに通じるものがあると感じ、ついつい物語の主人公の女の子に我が身を重ねて読んでいました。
その他繊細な表現で数々登場する、小料理屋「つる屋」で供される、人情たっぷり、それでいて鮮やかなような、美しいような、優しいような、そんな料理の数々もまたこの作品の見所の1つです。
はてなの飯や、白尽くし、最終巻では親父泣かせ、という献立も登場しましたが、いずれも故あって心を尽くして作った料理であると言う背景を読み進めで行くと、思わずほろりと涙が落ちてきてしまいます。女の身1つで心願を見事達成させた、サクセスストーリーです。
回答者:30代 女性
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