敵と敵とは、そこに手を執り合うて、大歓喜の涙にむせんだのである。 | 本で出逢った感動の名言


本で出逢った名言・名セリフ

敵と敵とは、そこに手を執り合うて、大歓喜の涙にむせんだのである。

文豪たちが書いた 泣ける名作短編集 より

そのセリフに感銘を受けた理由

「太宰治」、「宮沢賢治」など何名もの有名な文豪の泣ける短編が詰まっています。中でも私の好きな作品は菊池寛の書いた「恩讐の彼方に」です。

主人公の一九郎は、奉公先の主人の寵妾であるお弓と恋仲になった問題から、主人を殺しお弓と駆け落ちしました。その後、旅人を襲い追いはぎや時には殺しをするようになった一九郎とお弓でしたが、ある夫婦を殺した後、
一九郎のみ自責の念に駆られお弓のもとを逃げ出し、出家し了海と名乗るようになります。その後、旅をする了海は事故の多発現場で年間で何人も死者が出ている山でトンネルを堀ることが今までの人生の贖罪であると考えます。

了海がトンネルを掘り始めて約二十年後、殺された奉公先の主人の息子である実之助が了海へ復讐する為、旅を続けとうとう了海を見つけます。了海の行いに心を打たれた実之助と実直にトンネルを掘り続ける了海のラストシーンの一文です。

どんなことでも続ければ、きっと達成できる。また、偉大なことを成し遂げようとしている人の前ではどんな悩みでも些細なことであるということを実感させてくれる一文で思い出すだけで前を向くことができます。新たな一歩を踏み出す時におすすめの言葉です。

回答者:20代 男性


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