OpenSSHがどんなものか知ってほしい(全) | [書評]OpenSSH[実践]入門

OpenSSH[実践]入門
著者: 川本 安武
ISBN:4774168076 / 発売日:2014-11-01
出版社.: 技術評論社

バグがあるとニュースになるほどの基礎技術

2016年早々にOpenSSHに深刻な脆弱性があることが発見されました。騒ぎになったのですが、セキュリティパッチがすぐにリリースされたので事なきを得ました。コンピュータ間で通信を行う場合、従来は暗号化を行っていませんでした。

悪者たちから重要な情報(例えばパスワード)を守るとために、SSH(Secure Shellプロトコル)が生まれ、オープン化されてデファクトスタンダードとなったのが、OpenSSHです。IT技術者以外の方は、あまり意識していないかもしれません。IT技術者にとっては必須技術です。

もっとOpenSSHについて詳しくなりましょう

本書の章立ては次のようになっています。

第1章 SSHとOpenSSHの概要
第2章 OpenSSHの基本的な使い方
第3章 一歩進んだOpenSSHの使い方
第4章 SSHクライアントの設定
第5章 SSHサーバの設定
第6章 OpenSSHの落とし穴
第7章 設定事例集

基本、Ubuntu、CentOSのLinux系とMac OS Xについて書かれていますが、Windowsについても補足されていますので、Windowsユーザにとっても損はありません。

必要最低限なことでは気が済まない人へ

OpenSSHの最低限の使い方は、Webでもすぐ見つかりますし、第1、2章を読めば十分です。sshコマンドやscpコマンドぐらいしか使わないなら。しかし、OpenSSHはもっと奥が深いのです。本書では、運用におけるセキュリティ対策の話、sftp-serverの細かな設定、WindowsでX11を使用する方法などを教えてくれます。

ちょっと便利な付録

巻末に付録として5つの項目について書かれています。OpenSSHのコンパイルの話が書かれていますが、今時1からコンパイルする人は珍しいでしょう。昔は、やってましたが。便利なのは、コマンドラインオプションの一覧と、設定ファイルのssh_configとsshd_configの設定項目一覧表です。デフォルトで設定して、ほとんどいじらないことが多いと思いますが、改めて日本語で理解してみることは、内部の理解にもなって、勉強になります。

OpenSSH[実践]入門
著者: 川本 安武
ISBN:4774168076 / 発売日:2014-11-01
出版社.: 技術評論社

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