交渉で重要になってくる「バトナ」という考えかた | [書評]武器としての交渉思考

武器としての交渉思考
著者: 瀧本 哲史
ISBN:4061385151 / 発売日:2012-06-26
出版社.: 講談社

交渉は現実に溢れている

日常生活を送る上で、人と関わる場合ほとんどの場合にそこで交渉が行われている。例えば友人とのランチの場所や、旦那に洗濯物を取りこんでもらうなどなど。もちろん、ビジネスシーンでは数多くの交渉があり、交渉に対する考え方を学んでおけばより有利な交渉が可能になってくる。

交渉は勝つか負けるかのゼロサムゲームではなく、お互いの目的を達成するための合意点を見つける利害の調整が重要であることを学ぶことができます。普段の交渉から高度な国家レベルの交渉などでも交渉というものを正しく理解していれば、臆することなく最大のメリットを得ることができると思いました。

バトナを理解する

相手の提案に合意する以外の選択肢の中で一番良いもの

交渉で重要になってくる「バトナ」という考えかた。交渉相手との交渉が決裂したとしても、他に選択肢を準備しておくことで交渉を有利にしたり、変に惑わされずに最大限の利益を得る選択ができるようになります。情報や選択肢を持って交渉に臨むことが基本であり、それらを有効に使うことが交渉では一番の武器であることが理解できました。

さらに重要なのは自分のバトナだけではなく、相手の立場や状況からなるバトナを理解することで、合意点を定めやすく、交渉をまとめやすいことが分かります。それ以外にも合理的な交渉を進めるテクニックについて学ぶことができました。

非合理的な人間との交渉

世の中には利益を考えて合理的な判断が出来る人間だけではないことは良く感じます。価値観の違う人や、何かしらに拘って意地になったり頑固であったり。

そうった人達との合意をするためには、まず相手はどんな人間かを理解する必要があります。非合理的な決定をする人を六つのタイプに分けてそれぞれ分析と対処法を分かりやすく解説してくれます。特に価値観の違いによる交渉の難しい部分を解くためのノウハウがとてもわかりやすかったです。

合理的な人間、非合理的な人間、様々な人達との交渉をするための術を得られる一冊でした。

武器としての交渉思考
著者: 瀧本 哲史
ISBN:4061385151 / 発売日:2012-06-26
出版社.: 講談社

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