いつのまにか、旅に出ています | 読むと旅に出かけたくなる本
いつのまにか、旅に出ています
旅のラゴス より
知人に勧められて読み始めた。
特に「旅」がテーマの本を読みたかったわけじゃない。筒井康隆という名前は知っていたし、今でも作品を出しているのは知っていたけど、自分の趣味ではないと読まず嫌いをしていた。
まずはページをめくって読み始めた。どこか旅をするんだろう。と予想はしていたけれど、シュチュエーションに心を掴まれた。
実際にありえそうで、ありえない世界。旅をしながら、自分が人間が、何者であるかを探す旅。1短編づつ、旅する場所が変わっていくのだけれど、脳裏にはその風景が鮮明に描かれるほど、物語に吸い込まれていった。
話しが進むにつれ、主人公のラゴスは歳をとるし、人生の分岐点にも立つ。主人公のラゴスを空から見続けている自分と、ラゴスとして旅をしている自分が現れた。
読み進めるにつれ旅の終わり、この物語の終わりを感じてしまう。ラゴスよ、旅をやめないで。と願う自分がいる。だからラゴスの旅が終わり本を閉じた後、旅に出たい、旅に出なきゃと思う自分がいるのだ。
回答者:30代 女性
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