「昔から見てるからかな。私、チエのお母さん、好きなんだ」 | 本で出逢った感動の名言
この本は主人公が二人います。この台詞は、そのうちの1人「みずほ」が、もう1人の主人公である「チエミ」をかばうために発する言葉です。
チエミの親はチエミを溺愛し、またチエミをそれを当たり前として生きてきましたが、人生のところどころで友達や会社の後輩などから「お母さんが過保護すぎて気持ち悪い、普通ではない」「あなたがズレてるのは親のせい」といわれます。その言葉たちは次第にチエミを追い詰めていき、折りしも仕事・恋愛・友達関係すべてが崩れ孤独になった結果、母親を殺すという事件を起こしてしまいます。
自分も親との距離がとても近く、親が普通ではないとも言われたことがあり、チエミに非常に感情移入して読んでいました。この言葉は、チエミの友達がチエミのことを陰で馬鹿にしたときに、みずほが彼女をかばって言った言葉です。もし、この言葉が本人に伝わっていたなら、結果が変わっていたのではと胸が苦しくなりました。チエミの世界を照らす光となりうる、すばらしい言葉だなと思いました。
回答者:20代 女性
本で出逢った名言・名セリフ
「昔から見てるからかな。私、チエのお母さん、好きなんだ」
ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 より
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