誰だって気持ちよく働きたい | [書評]実践 自分の小さな「箱」から脱出する方法


誰だって気持ちよく働きたい

箱の外にいるとき、人は自分を他の人々に囲まれた一個人として感じているのに対し、箱の中にいるときは物に囲まれた一個人だと感じている。

箱の中にいる状態の時、相手を人ではなく物のように感じていて、どんなに言動や行動で繕っていても、本音は相手に伝わっている。

なんとなく感じていたけど、やっぱりそうだよね…と確信し、これは常に忘れてはいけないことだと再認識した。誰だって気持ちよく働きたい。私も強くそう思う。だから上司がどういう人かにとてもこだわる。

これまで箱の中に入っている上司を何人も見てきた。上下関係において、自分が下にいる場合、こちらから上の人を箱の外に出るように持っていくのは困難だ。これまで、一人の人間というよりはコマのように扱われていると感じたり、所詮私自身が経費そのものなのだな、と思ったことも何度かあった。

自分の内から出てくる動機付けが最も重要

組織は利益を出さなければ社員を食べさせられない→粗利が重要→社員を効率よく働かせる

当たり前の筋書きなのかもしれないが、リーダーがこのような「箱の中」的感覚では社員は自分がコマのように感じかねない。

これを「箱の外」的に直したとすれば、「個々の社員に現実を正しく理解してもらう→社員自身が会社のために貢献しなければ!と感じる→それにはどうすればよいかを自分自身が考え行動し始める」という筋書きになる。これは一見見た目に大きな違いは無い。

組織における成功を追い求めようとすればするほど、リーダーは前者の行動に走りがちで、メンバーは疲弊しモチベーションやアプトプットが下がっていくのがパターン。でも本当は後者のようにメンバーを導くべきほうが結果的には効率も成果も上がる。

リーダーが箱の外にいるかどうかは企業の運命を左右することでありながら、ほとんどのリーダーは持たされた目標達成への焦りから本来あるべき筋書からはずれてしまうことが多いのだと思う。わかっているようでついつい忘れがちなこの事を思い出させてくれる本。


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