社会人の前に人として守るべき5つの事| [書評]自分に適した仕事がないと思ったら読む本―落ちこぼれの就職・転職術


「結婚すらできない…」厳しい就職市場の現状

バブル期以来の売り手市場と言われている現代ですが、実際問題、売り手なのは有名大学の新卒者のみ。一般的なレールを外れた「落ちこぼれ」にはほとんど縁がない話です。男女ともに結婚する人が減ったのは、男性の草食化だの女性の社会進出だの言われていますが、結局のところ今の若い人には「お金がない」からです。

結婚は恋愛の延長だから、ちがうという意見があるかもしれませんが、フリーターと医者がコンパをしないように、それなりの相手と知り合うには、それなりの立場が必要です。

立場とは、どんな仕事をしているか、どのくらい収入があるかということですから、結局は金が絡んできます。

結婚できるお金もなく、遊ぶお金も限られている。だから人生がつまらない。やる気がでない。そしてやる気がない人ほど、正社員に応募をせずフリーターの道を選びがちです。派遣やアウトソーシングなんかも流行っていますが、給与はかなりピンハネされており、そこから正社員に昇格できる人はほんの一握りと言われています。

ダメな企業ほど頻繁に求人を出す

フリーター脱出のために、求人情報誌を見て働いている自分を想像する…ニート時代の私もよくやっていました。

しかし、よくよく見ると、どの月の号にも毎回求人が載っている仕事がありますよね。新規立ち上げでスタッフ増員中なのかな?と考えるのは危険です。いつまでも求人を出している企業は、入った人がすぐにやめてしまう企業か、よほどダメダメな企業のどちらかです。どちらにしても入社したくないですよね。

逆に電通のような超大手企業になると、広告関係の専門誌にたった数行の広告をのせただけで、約6000人の応募があったそうです。

いつまでも求人を出しっぱなしにしている企業より遥かに影響力を持っていますし、見ている人はしっかり専門誌を隅々までチェックしているのです。

私が以前勤めていた派遣の自動車板金工場の事務職は、社長が誇らしげな顔で「うちに入った奴はほとんど2~3週間くらいでやめていくよ」と口癖のように言っていました。自分の会社がいかに意識が高く、凡人では自分たちについて来れないんだとでも言いたげでした。私も彼らの意識の高さ(?)についていけず、結局たった3週間で辞めたんですが…。

社会人の前に人として守るべき5か条

この本はいわゆる「新卒→就職→安定(結婚、マイホーム購入など)」という一般のレールから外れた落ちこぼれのための本です。

しかし、だからといって今の仕事をおろそかにこなすのはよくありません。

今頑張っている仕事を将来に生かすために、守っておきたい五か条があります。
「時間を守る」
「嘘をつかない」
「人の陰口を言わない」
「恩を着せない」
「常に相手の立場で考える」
この5つです。

こんなの全部当たり前じゃないかという話ですが、意外に守れてない人が多いです。そして社会人の前に人として落ちこぼれている人は、職場でも平気でダメな部分を披露します。ただのアルバイトでも、期間限定の派遣でも、まずは一個の人間として、志だけは忘れないようにしたいものです。

「自分に向いてる仕事がない」「将来がわからない」という人もいますが、まずは仕事を「やらされてる感」を捨てて、自分の考え=哲学を持って仕事に取り組むこと。そこから自分に合った仕事がなんとなく見つかってくるのではないでしょうか。


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