人は学ぶことによってもっと豊かになれる | [書評]幸せの新しいものさし


多種多様な生き方と働き方

次々に新しい時代に変わっていく現代において、様々な概念が変わってきています。働き方や人付き合いの仕方などはもちろんのこと、そもそも生き方そのものが多種多様になってきました。

その中でも、価値や豊かさそして幸せの定義を変えて新しい生き方働き方によって日本に現代に合った様々な価値を提供する11人の話です。新しいものさしとして、お金では計れない何かを示してくれます。

好奇心がキーワード

人は学ぶことによってもっと豊かになれると信じています。

これはシブヤ大学というボランティアによる、生活に根付いた多種多様な職業の方を講師とする学校の学長のセリフです。人は学ぶことや、学ぶことを通して人とつながることを求めている。それには、好奇心を満たすというキーワードが重要であるといることに気づきます。

シブヤ大学のほかにも、読書の概念を変えるブックディレクターの話や、住まいの概念を変えて二拠点生活のライフスタイルを提案する東京R不動産など、興味深いお話しがたくさんありました。やはりそれぞれ仕事もプライベートも融合し、好奇心という欲求を満たすようなことが多い様です。

ちょっとした転換が生活の変化に

11人の話は殆どが、ちょっとしたことがきっかけで始まった試みのようでした。仕事の悩みから始まった疑問。人の生活スタイルが時代によって変化していることを肌で感じ、それを実現してみる。そんなやり取りを通して彼らは新しい考え方を世の中に生み出したようです。

それぞれ根底にあるのが、システム以上に人と人とのつながりでした。なぜそんな取り組みをやろうと思ったのか?新しい価値は誰のためにやりたいのか?など根本的に一人一人のためであることが彼らの原動力だったんだと強く感じました。

また、活動を行っている方を中心ではなく、ものと人や、人と人をつなげる。リアルを届ける。物質ではなく背景や物語を届ける。マーケティングの考え方ですが、それらを実行実現している方々の活躍の本だと感じました。


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