Scratchで簡単にプログラミングに触れてみる | [書評]小学生からはじめるわくわくプログラミング2


親戚の子供にプログラミングを教えてみました

夏休みということで、「子供(小学4年生)にプログラミングを教えてやって」という依頼を受けて、私が数ある子供向けプログラミグ教本から選んだのがこれです。ちゃんとその子は最後まで本書の内容を走破し、プログラミングの初歩に触れることができたので、実証付きの本ということになります。当然、プログラミングのポイントに触れる際には、多少の指導は必要でしたが。

Scratch2.0自体がよくできている

Scratchは、MIT(マサチューセッツ工科大学)のメディアラボで開発した子供向けコンピューター学習ソフトです。ブラウザ上で動作します。パーツを組み合わせてプログラムを作れるようになっているので、小学生ぐらいになれば遊べます。作ったプログラム(プロジェクト)を公開することもできます。しかし、教科書が無いと、何を作って良いかわからないでしょうから、本書の意義があるわけです。

本書で教えること

本書の学習項目は次のようになっています。
・ 前段階:Scratch2.0の使い方、ブロック(プログラミングパーツ)の付け方
・ 実写コマ撮りアニメ(PCのWebカメラを使用)
・ 多角形と星型図形(図形を描く)
・ 車窓シミュレーター(移動距離を計算する)
・ 繰り返し模様(模様を画面いっぱいに描く)
・ ネコジャンプ(加速度を考慮して絵を動かす)
・ 自動演奏装置(絵の動きに合わせて音を出す)

プログラミングではない作業も含まれていることがお分かりでしょう。Webカメラでのコマ撮りは、プログラミングではなく、手作業です。また、Scratchが持っているパーツを貼り付けるのもプログラミングではありません。それ以外は、ほぼ全てプログラミングです。実際には、ブロックと言うパーツをスクリプトエリアの場所でマウスを使ってくっ付けるだけですが。

プログラミングになっているか?

アセンブリ言語など低級言語を除いて、高級プログラミング言語では、構造化プログラミングが必須です。単純には、ifとループ(forなど)です。

Scratchは、ちゃんと構造化プログラミングのためのブロックを備えています。それらのブロックをできるかぎり全て使うように本書では考えられており、子供は知らず知らずに構造化プログラミングを覚えます。たとえ、「構造化プログラミング」の名前を知らなくても。

本書は子供に有用か?

答えはYESです。子供は遊び感覚で、テキストに従ってプログラムを完成させます。バグる事もあるでしょうが、そこは大人が教えてあげる必要があるでしょう。


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