「断る。重蔵は男じゃ。男である以上、いつかは愛した女にも倦きるが、しかし仕事には倦きぬ。男とはそうしたものじゃ。薄情なこ… | 本で出逢った感動の名言

梟の城
著者: 司馬 遼太郎
ISBN:4101152012 / 発売日:1965-05-04
出版社.: 新潮社

本で出逢った名言・名セリフ

「断る。重蔵は男じゃ。男である以上、いつかは愛した女にも倦きるが、しかし仕事には倦きぬ。男とはそうしたものじゃ。薄情なことを申すようじゃが、重蔵は情けに溺れて、仕事を裏切るわけには参らぬ」

梟の城 より

そのセリフに感銘を受けた理由

重蔵の責任感の強さ、心と大きさを実感しました。この物語を読んでいくうちに、仕事への向き合い方や男女の事情、愛情、嫉妬、人間関係その他もろもろのことを学ばされます。特に印象深いのは、幼少の頃から刷り込まれてきた心の働きにどうしても抗することができず互いの使命を果たしていく精神の強さがとれも心に響きました。

重蔵の言葉は一見すると薄情のように思われがちですが、ほんとのところは、相手の女性を尊重していることのあらわれだと思います。よく言われていると思いますが、愛とはどちらか一方が負担し自分のやりたいことを犠牲にして作り上げるものではなく、両方でお互いの立場を認め理解して愛を育てていくものなのだと思います。

回答者:40代 男性

梟の城
著者: 司馬 遼太郎
ISBN:4101152012 / 発売日:1965-05-04
出版社.: 新潮社

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