かたちのあるものと、かたちのないものと、どちらかを選ばなくちゃならないとしたら、かたちのないものを選べ。 | 本で出逢った感動の名言

東京奇譚集
著者: 村上 春樹
ISBN:4101001561 / 発売日:2007-11-28
出版社.: 新潮社

本で出逢った名言・名セリフ

かたちのあるものと、かたちのないものと、どちらかを選ばなくちゃならないとしたら、かたちのないものを選べ。

東京奇譚集 より

そのセリフに感銘を受けた理由

困難な状況で混乱し怯えている女性に向かって、ゲイの友人が言ったセリフです。抽象的な言葉ですが、女友達に対する愛情と優しさにあふれていて、とても心に残るセリフでした。彼自身も、辛い選択をした経験があります。ゲイを自覚したことで、またそれをカミングアウトしたことで、家族や友達とも離れてしまった過去があったのです。彼の辛い経験から得た一番大切なルールを取り出して、不器用に彼女を励ましたのです。

人生は小さいものから大きなものまで選択の連続だと言われますが、そのときにどちらを選びとるかでその後がまるで変わってしまいます。このセリフを言った彼は、損得やメリット・デメリットでなく、「かたちのあるもの」と「かたちのないもの」で判断するように言いました。つまり「かたちのあるもの」が目に見える利益で、「かたちのないもの」が心が求めているものだということです。

私も選択を迫られると、この言葉を思い出します。私にとって形のないものは何なのか、大切にすべきは何なのか、このセリフを思いながら自分に問うのです。

回答者:40代 女性

東京奇譚集
著者: 村上 春樹
ISBN:4101001561 / 発売日:2007-11-28
出版社.: 新潮社

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