コーヒーに人生をかけた男たちの想い | [書評]コーヒーの人

コーヒーの人
著者: 大坊勝次
ISBN:4845915863 / 発売日:2015-12-18
出版社.: フィルムアート社

伝説になりつつある職人と新たな分化を作る者たち

日本のコーヒーの歴史は濃く、様々な伝説となった方々がいたそうです。近年現役を引退された大坊勝次氏もその一人になりつつある御方で、世界で上映されたコーヒーの映画のワンシーンにも出演するなど一つのコーヒーの分化を築いた御方だと思います。巻末がその大坊勝次氏のインタビュー。それ以外には最近の「コーヒーの分化」を作りつつある方々のインタビューで構成されています。巻頭の田中勝幸氏は独特の感性を持つ野性味溢れる方。他の若者よりもパッションにこだわり、コーヒー一杯に魂を込めるような生き方をしていると読み取れました。

國友氏、濱田氏、松島氏、加藤氏のインタビューと続き、それぞれがそれぞれの考えをもってコーヒーに携わりコーヒーを通して文化を作っていきたいという意気込みが読み取れます。

名人の想い

店を「平等の共和国」にしようと思った

お店を開くときに表参道の店舗を見つけ、表参道の雑多な人達が経済力や地位とか名誉などを取っ払えるようなお店づくりを使用と決めてスタートしたそうです。みんな同じで250円さえ持って来ればコーヒーが飲める。そんな共和国を作りたく、自分から文化を作り上げるという考えではなかったそうです。

なぜそんな考えに至ったか。ロングインタビューではそのあたりを深めることができました。自分自身の鎧を脱ぎ去りありのままでいれる。それがご自分を解放できたきっかけでそれらを皆さんに伝えたい。そんな想いを感じ取ることができました。

想いを形にしている

コーヒーの分野でそれぞれの方向性で成功している6名のインタビューからは、根底に強い想いがありそれを達成させるために日々努力をしていることが伝わりました。強い想いを形にしてそれぞれ自分にあったアプローチの仕方で紆余曲折ありながらそれぞれの街に根付いて新たな分化を作り上げている。そんな素晴らしい男たちを知ることができました。

コーヒーの人
著者: 大坊勝次
ISBN:4845915863 / 発売日:2015-12-18
出版社.: フィルムアート社

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