・・・ああ、引力のようなものを描きたかったのかもしれません。引力というのは一種の愛ですから。ヒトは地球に、地球は太陽にひ… | 本で出逢った感動の名言


本で出逢った名言・名セリフ

・・・ああ、引力のようなものを描きたかったのかもしれません。引力というのは一種の愛ですから。ヒトは地球に、地球は太陽にひっぱられ、太陽は宇宙につながっているわけですからね・・・。

絵をかいていちんち―まど・みちお100歳の画集 より

そのセリフに感銘を受けた理由

100歳の画家まどみちおさんの画集を眺めていて、ふいに短な言葉の書いてあるページを見て、じんわりとした感動を覚えました。「上の方にある三つ飛点、こういうのは明らかに「種」が飛んどるところのようですね。ミミズみたいな形の上から下に向けて、垂直線が入っとりますね。こういうところには、わたしは引力を感じます。」

この文章の後に先のセリフが繋がるのですが、過去に描いた時点でそのことを意識して描いていたかいなかったかはわかりませんが、自分の絵をとても客観的に、新鮮に見ている感じが伺えます。時間が経ってあらためて、作品と向かい合ったときに点、種、上から下に向けての線、それを重力と感じ、重力は愛の一種だという言葉が、とても優しくわたしに入り込んできました。

地球にいる限り重力はずっとある、ここに居さえすれば。地球上どこへいったって、重力はずっとあってくれて、人間として生まれてしまって完全に自由になんてなれないのだから、ずっと一緒にいてくれる愛があってよかった。孤独で苦しい日もたくさんあるけれど、不自由の中の自由で、たまに「重力の愛」のことを思い出すとこわばったからだの力が抜けるような気がします。

回答者:20代 女性


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