結果を出す組織に必須なのは、組織は一人一人よりも賢いという考え方だと思う | [書評]“結果”の出ない組織はこう変えろ! ファシリテーションの応用と実践


組織の生活習慣病

現代社会において、結果の出ない会社や組織が多すぎる。その背景として、進化しないソ日本の組織の行動原理がある。そう言った問題点からファシリテーションという技術うを通して現代社会において必要なスキルや考え方、仕組みなどを教えてくれる効果的な一冊です。

組織行動上の欠陥として「目的の曖昧さ」「意思疎通の欠如」「精神主義性」など日本の社会人であれば一度は経験したことのある、組織の問題点を挙げており、誰もが共感できる部分がとても導入しやすいです。

特に、納得の構造がアジア人・日本人はコンテクスト(拝啓)を非常に重要視してしまうという部分が非常に分かりやすく理解できました。

ファシリテーションというインフラの整備が重要

「チームは私より賢い」

結果を出す組織に必須なのは、フラットであるということでもあります。それを実行するためにも、組織は一人一人よりも賢いという考え方が浸透していないと成り立ちません。そのような考え方を浸透させ、自律した組織を作り上げていくためにもファシリテーションというインフラの整備が重要であることを教えてくれます。

また、ファシリテーションを集団の知的相互作用を促進する働きと定義し、組織の行動力と実行力を高めていくことで結果がでるとも教えてくれました。

リーダーの主観が入らない仕組みを作る

強い組織を作っていくために、組織トレーニングという概念を取り入れることが重要であると解説があります。幾つかトレーニングの具体的な説明がありましたが、個人の行動を変える重要性を解説したところが非常に興味深かったです。

フェアで納得感のある評価基準を設け、リーダーの主観が入らない仕組みで、評価されたとき、それに従って人が行動を変え、メンバーの自律を促し、結果的に組織全体がよくなっていくとあります。

当たり前のことですが、その当たり前のことを実現させれば組織がよくなっていくことが想像できました。すぐに使えるものではありませんが、ちょっと時間を掛けて整備していくことで変わっていくもんなんだなと思えました。

それ以外にも、会議を能率的に行うための手段や、育成のための考え方、ロジカルシンキングなど、組織で活動するには有用な事柄がたくさんありました。ハウツー本としてもちょっとした自己啓発本としてもとても面白く読ませていただきました。


あわせて読みたい