コレジャナイを省いていった結果残る「コレ」とは? | [書評]遊んで暮らす コレジャナイ仕事術


コレとコレジャナイ

著者のザリガニワークスの二人が作った「コレジャナイロボ」。子供にプレゼントしたときに残念がらせることを目的とした情操教育用のおもちゃ。誰もが持っている過去の欲しかったのはコレジャナイエピソードを基に製作し、世界レベルでヒットしたおもちゃから、仕事においてのやりたかったのはコレジャナイを語ります。

コレジャナイを省いていった結果残る「コレ」とはどういうものなのか。本書では「コレ」を根源的な欲求として定義しいます。コレだけは譲れないという何かを追求していくことが、やりたい仕事であり、遊んで暮らすに近づくのではないかと思いました。

モノづくりに宿るもの

モノ作りにおけるコレとは根っこにある思いやコンセプト

どんなものでも、アイディアから作品がユーザーに届くところまでしっかり貫通させることがモノ作りの彼らのこだわり。コンセプトさえしっかり持っていればそれを感じて、変な作品でも共感を生み、作り手側からユーザーまでを巻き込んで面白いことが起こります。

結果的にロイヤリティビジネスまで昇華して、様々なコラボレーションが行われて新しい価値が生れる。アイディアを様々な人を巻き込んで大きくしていく面白さを彼らの活動を通して読みとることができました。

コレを実現するための仕事の形

本書では彼らザリガニワークスの仕事を追うことで彼らのコレを仕事にしていく歴史を知ることができます。ただしそれは独立してモノ作りをしている人限定の考えではなく、人それぞれのコレの形があることを前提にしています。興味深いのが、組織の中にいてもコレさえ見つけることができれば、遊んで暮らすを実現できるんじゃないかと書いているところでした。理屈ではそうだけどと思うよりも、納得感の方が強く、考えの持ち方が広がったような感じがしました。

コレを見つける為のヒントは、物事を自分事に考えること。そして自分事として考える為には一から始めることの重要性があります。何においても、物事がどこからきてどこへ行くのか。自分はどんな価値を付加したのか。そんな思いを持って仕事をする大事さを学びました。


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