ツイッターから生まれた社長が更新を辞めた、たった1つの理由 | [書評]ツイッターとフェイスブックそしてホリエモンの時代は終わった


デジタルネイティブ世代に生まれた「ツイッター高校生」

SNSありきの時代に、ツイッターは終わったと言い切るこの挑戦的なタイトル。著者は「ツイッター高校生」こと梅崎健理氏。IT会社ディグナの社長を務める人物です。

梅崎氏は4歳でPCに触れ、小学校でひらがなを習うよりも先にキーボードのローマ字入力を覚えた「デジタルネイティブ世代」。ツイッター黎明期からツイッターを利用し、孫正義をはじめ多くの企業家と交流してきた梅崎氏ですが、ここ最近はツイッターをほとんど利用していないのだとか。

理由は「面倒くさい」という事ですが、単に飽きたとか忙しくなったという訳ではなく、そこにはツイッターをはじめとするSNS特有のわずらわしさが関わっているようです。

SNSはなぜめんどうくさいのか

現在約3万人のフォロワーを持つ梅崎氏がツイッターを一番楽しめていたのは、フォロワーがまだ1万人くらいの頃。企業家や有名人、IT関係者など、ツイッターがまだまだ一般的に広く知られていない時代でした。

ツイッターは今や企業の宣伝に欠かせないものとなっています。芸能人や政治家、一般人までアカウントを持ち爆発的に人口が増えた今、新たな問題が浮上しています。それは「炎上」というリスク。ツイッターで何度か炎上を経験した梅崎氏は、炎上についてこう語ります。

「ネットは怖い」のではなく、人間のやることに怖さがつきまとう

SNSに限らず、人が増えすぎた場所は純度が低くなり、そこには炎上の火種を待ち構える心無い層も混ざって来ます。

ツイッター黎明期のように好きなことを呟けなくなり、たった一言呟くのにも「これ、言っちゃっても大丈夫かな」と気を揉むようになってしまうと、好きなことを呟けるはずのツイッターも苦痛でしかないのです。

そもそもSNSは本当に必要なのか

梅崎氏によると、ツイッターは「読むだけ」の世界と「話すなら仲間内だけ」の世界に大きく二極化しているそうです。
おそらくこの均衡が崩れた時に、情報発信源に対して過剰な攻撃や誹謗中傷が生まれるという事なのでしょう。SNSには年収数兆円を稼ぐ大企業のSEOから、フリーター、学生、主婦までさまざまな人がひしめいています。まったく違う環境や価値観の元で育ってきた人たちですから、そもそも話が合わないんです。

SNSはあくまで、現実の延長線。考え方が異なる人間が集まる場所には、大なり小なり諍いが生じます。デジタルネイティブ世代の梅崎氏はそれをいち早く悟り、SNSと程よい距離を置いたライフスタイルを送っているようです。

実際、サービス開始からこれまで、黒字だった事がないといってもいいくらい厳しい状況のツイッター社。ツイッターはこのまま収束していくのか、それとも新たなSNSが第二のツイッターとしてヒットするのか?SNSの熱はまだまだ尽きる事がなさそうです。


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