読んでいるだけで南フランスのプロヴァンス地方を旅できる | 読むと旅に出かけたくなる本

ホテル・パスティス〈下〉
著者: ピーター メイル
ISBN:4309202373 / 発売日:1994-07
出版社.: 河出書房新社

読んでいるだけで南フランスのプロヴァンス地方を旅できる

『ホテルパスティス』(ピーター・メイル/河出書房) より

20年以上前に本屋でジャケ買いしました。表紙の絵がとても素敵だったのです。ピーター・メイルという作家も作品もまったく予備知識なしで読みました。物語は、ロンドンで広告代理店を経営する主人公が、仕事も家庭に嫌気が差して、南フランスのプロヴァンス地方に旅をするところから始まります。

主人公は、古い憲兵隊庁舎跡を買ってそこをホテルに改造します。ホテルの企画立案から建設に至るプロセスを丁寧に書込みます。読むうちに、頭のなかに実際にそのホテルが容易に描けます。プロヴァンスの自然の描写もさることながら、題名にもある通りパスティスというお酒が随所に出てきます。茶色いお酒なのですが、氷と水で割って飲むと白く変色するお酒で、主人公をはじめ登場人物たちみんなのお気に入りの酒です。

読んだ当初はパスティスなんて酒を知らなかったのですが、読み進むうちに、自分もプロヴァンスに行ってパスティスを飲みたいと思うほどでした。そして、ほんとうに、私はプロヴァンス地方を旅し、パスティスを飲みまくったのでした。読んでいるときの印象と寸分たがわず、美しい自然とうまい酒に感激したのでした。

回答者:40代 男性

ホテル・パスティス〈下〉
著者: ピーター メイル
ISBN:4309202373 / 発売日:1994-07
出版社.: 河出書房新社

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