なぜ、夏になると熱帯夜が発生するのか? | [書評]図解・気象学入門―原理からわかる雲・雨・気温・風・天気図


気象と天気の仕組みを詳しくわかりやすく解説

雲はなぜできるのか?風はなぜふくのか?午後2時ぐらいに最高気温が出るのはなぜか?などなど、本書は、気象とお天気について、その原理を説明してくれます。

天気予報を見ているときに、ここに気圧の谷があって、とか湿った空気がどうのこうのというのを聞きますが、それがどう働いてお天気に影響するのかがやっとわかりました。また、「雲はゆっくり落ちている」というのを聞いたことがあるかもしれませんが、それに抵抗する力が働いていることは知りませんでした。

本書の概要

本書の「はじめに」に次のように書かれています。

本書は、何の変哲もない雲ひとつを出発点にして、気象学の扉を開ける鍵をひとつずつ確かめながら先に進んでいきます。その先には、「低気圧や高気圧はなぜできるのか」「台風はなぜ強い風が吹くのか」「上空にはなぜジェット気流が吹いているのか」といった疑問を「なるほど」という実感を持って理解できる段階が待っています。

つまり、基本的なことから始めて最後には多くの普段疑問に思っている気象のことを解決してくれるように構成されており、以下の章立てになっています。

1.雲のしくみ
2.雨と雪のしくみ
3.気温のしくみ
4.風のしくみ
5.低気圧・高気圧と前線のしくみ
6.台風のしくみ
7.天気予報のしくみ

個人的には、最初の方が特に面白いです。それぞれについて、一般の人が知って面白いだろうと思われることが図や絵を使いながら、わかりやすく(でも少し難しいところもある)説明してくれています。

雲の高さには上限がある

前半が特に面白かったです。特に、高校化学・物理で登場する、アボガドロの法則や熱力学の第一法則など、懐かしの法則が雲のしくみのところで登場します。雲がなぜ雨になるのか、雲の高さには上限があるなど、興味深い要素が満載です。また、天気予報でよく聞く「南から湿った空気が入り、天気が不安定になります」的なことは、なぜそうなのか化学的に説明してくれますので、納得できます。

また、身近な話であれば、「熱帯夜となるのはなぜか」が面白いです。日本ではまさに今多いですね。その理由も説明してくれます。でも、原因知っても環境の違うところに逃げるしか手はないですが。個人的にエアコンは嫌いですので。

空の見方が変わります

本書を読むと、まず空の見方が変わります。雲はこの後どう成長するのか、果たして今前線付近なのか。今では、明日のお天気なんかは、お天気アプリ開けばわかりますが、それがなぜそうなっているのかを考えるようになります。


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