あらゆる芸術の士は、人の世を長閑にし、人の心を豊かにするがゆえに尊い。 | 本で出逢った感動の名言

こゝろ
著者: 夏目 漱石
ISBN:404100120X / 発売日:2004-05
出版社.: 角川書店

本で出逢った名言・名セリフ

あらゆる芸術の士は、人の世を長閑にし、人の心を豊かにするがゆえに尊い。

こころ より

そのセリフに感銘を受けた理由

明治の文豪、夏目漱石の代表作のひとつである「草枕」からの一文です。窮屈な人の世からの逃避旅行の道中、画家である主人公はこのようなことを思考します。このたった一文に、芸術家というものの存在意義が表現されていて素晴らしい名文だと思います。この文は「草枕」の冒頭、「人の世がいかに生きにくいか」という趣旨の文の後に続くものです。

窮屈で生きづらい人間社会だからこそ、芸術という一末の清風が必要とされるのだという結論が巧みに表現されています。まだ現代よりはおおらかだと思われる明治の時代にあっても、こういったことが言われているのですから、翻って現代の芸術の重要性に思いを馳せるような気分にもさせてくれる名文です。

回答者:20代 男性

こゝろ
著者: 夏目 漱石
ISBN:404100120X / 発売日:2004-05
出版社.: 角川書店

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