人間を「死ぬ」のではなく「破壊」される対象として描いている。そうすることにより、人間の死の意味を無化している。 | 本で出逢った感動の名言

グラスホッパー
著者: 伊坂 幸太郎
ISBN:404384901X / 発売日:2007-06-23
出版社.: 角川書店(角川グループパブリッシング)

本で出逢った名言・名セリフ

人間を「死ぬ」のではなく「破壊」される対象として描いている。

そうすることにより、人間の死の意味を無化している。

グラスホッパー より

そのセリフに感銘を受けた理由

グラスホッパーという作品ではかなり細かい描写を用いて登場人物の死を表現しており、読んでいる最中はなぜこのような書き方をするのだろうとずっと不思議に感じていました。あまりに無機質でグロテスクだったので最初は胸を締め付けられるような感覚を覚えるほどでとても印象的でした。

しかし本編が終わったあとの作品解説のページで単なる表現だけでなく、死に意味づけさせないという目的のためにこのような書き方をしているとわかりとても感動しました。

人は死というものに勝手に意味づけをしたがるという性質を把握したうえでのことだったので、この解説の言葉をみたときに作者の手のひらの上で転がされていたような気持ちになり、感心と同時に心地よさも覚えました。

回答者:20代 男性

グラスホッパー
著者: 伊坂 幸太郎
ISBN:404384901X / 発売日:2007-06-23
出版社.: 角川書店(角川グループパブリッシング)

あわせて読みたい