誰にもゼロから十までの苦痛温度計があるといっている。それが十になるまで、人は変われない。九ではだめなのだ… | 本で出逢った感動の名言


本で出逢った名言・名セリフ

誰にもゼロから十までの苦痛温度計があるといっている。それが十になるまで、人は変われない。

九ではだめなのだ。九だと、まだ恐れているからだ。十だけが人を動かす。

そこに至ると、悟るのだ。誰も自分に変わって決断することはできないと。

図書館ねこ デューイ ―町を幸せにしたトラねこの物語 より

そのセリフに感銘を受けた理由

この文章を引用した本は実話を元にしたストーリーです。図書館の返却ボックスに捨てられていた猫が図書館員に保護され、そのまま図書館で飼われることになり、デューイ十進分類法にちなんで「デューイ」と名付けられ、図書館を訪れる人々に愛されるマスコットになってゆく様子を描いたものです。

この文章に出逢った瞬間、私はそれまで他人事として呼んでいた一匹の猫の話が、途端に自分の身に降りかかったことのように感じられました。具体が抽象になり、実感を得たような思いでした。

変わりたいと思っていても変われない、上手くいかないからとすぐにあきらめては自己嫌悪する。そんなエンドレスループが嫌で嫌で仕方なかった当時の自分にとって、この一文はその原因の答えそのものでした。マラソン選手のように、辛い苦しいという速度を保って日々練習することで持久力が身について行くように、精神的な体力とでも呼ぶのでしょうか、それもまた、辛い苦しいと思うことを「あと一歩、もう一歩」と続けることで、限界を引き延ばすことが出来るのです。

九にならないまでの苦しさで恐れてあきらめてしまっていた私にとって、その先の十までいかないと変われないのだと道筋を示されることは大いに衝撃を受けました。

回答者:20代 女性


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