「ひらいて」 | 本で出逢った感動の名言

ひらいて
著者: 綿矢 りさ
ISBN:4103326212 / 発売日:2012-07
出版社.: 新潮社

本で出逢った名言・名セリフ

「ひらいて」

ひらいて より

そのセリフに感銘を受けた理由

誰に何を《ひらいて》ほしいのか。タイトルを見ただけでは分からないことが、最後の一文まで読みきったときにようやく見えてきます。長い冬の後、時間をかけて少しずつ雪解けしていく春、あらわになった地面に小さな花を見つけたときのような気づきが、「ひらいて」というセリフによって花ひらくのです。

愛、たとえ、美雪、それぞれの心が繊細に触れ合いながら、ときにぶつかり合って、重なって、そして最後のシーンでは読んでいる私も涙が止まりませんでした。「ひらいて」美雪は折り紙を手に、愛に願いました。折ると祈るは、字面がよく似ていますね。美雪は愛に、ひらいてほしいと願いました。

では一体何をひらいてほしいのか、それに当てはまる言葉はおそらく存在しません。その代わりに、この「ひらいて」という作品が生まれたのでしょう。素晴らしい作品です。

回答者:20代 女性

ひらいて
著者: 綿矢 りさ
ISBN:4103326212 / 発売日:2012-07
出版社.: 新潮社

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