考えさせられる寓話的「警世の書」の名作 | [書評]カエルの楽園

カエルの楽園
著者: 百田尚樹
ISBN:4103364122 / 発売日:2016-02-26
出版社.: 新潮社

カエルであって、カエルにあらず

著者は百田直樹氏で、恐るべき作家です。私は、名作「永遠の0」を引き込まれるように一気読みさせられた。本書は、「永遠の0」などの他の作品とは異なる寓話仕立てになっています。タイトルの通り、登場するのはカエルですが、人間をカエルに置き換えています。

ナバージュのカエルの戒律

中心となっているのは、ナバージュに住むツチガエルの間に伝わる戒律「三戒」です。

カエルを信じろ

カエルと争うな

争うための力を持つな

言い換えると、人間愛、不戦、非武装でしょうか。これってどう考えても、私には日本国憲法+アルファにしか読めないです。

本書の内容

本書は、ナバージュに偶然踏み込んだアマガエルを主人公にして話が進みます。ナバージュに住むツチガエルは、「三戒」を厳格に守っていたのですが、そこにある出来事が起き、「三戒」の意義が問われます。

「三戒」は正しいのか、間違いなのか

本書の中での「三戒」の効果と、結果はあくまで著者の選択したものであって、その他の結果も考えられるはずです。しかし、これを現実の日本にどうしても当てはめて、読者に考えさせるのが本書の魅力であり怖さです。

もしこれが、寓話でなく、人間を主人公にした現実世界本であれば、そこまで考えないと思います。それは、その本のリアリティに思考が引っ張られるからです。しかし、寓話になっていますので、読者はどのようにも世界を想像できます。私の場合は、現在の日本に置かれる状況を一部変えた世界で考えてしまいました。

そこにおいて、「三戒」が正しいのか、間違いなのかを考えました。結局は、答えが出ませんでしたけど。

本書の言いたいこととは

私は、間違った方向に世論が向かった場合の結果の怖さを感じました。一方、本書の結末は正しいのではないかとも思います。ものすごく考えさせられます。一言で結論が出ません。

数時間で一気読みできますので、ぜひみなさんそれぞれの、本書の結果に対する意見を持っていただきたいと思います。

カエルの楽園
著者: 百田尚樹
ISBN:4103364122 / 発売日:2016-02-26
出版社.: 新潮社

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