これでいいのかアプリマーケティング | [書評]スマートフォンアプリマーケティング 現場の教科書


アプリ開発に関わるすべての人へ

タイトルは、アプリマーケティングですが、内容はマーケティングの範囲を超えています。アプリ開発側の規模も個人から企業までとらえており、非常に好感の持てる本です。

また、マイナビ社の本らしく、大変読みやすい構成になっています。一つのチャプター(通常1から2ページ)ごとに、ポイントが先に示されており、詳細がそれに続きます。また、詳細の中で、注目すべき点には黄色ラインが引かれています。このあたりの細かな見せ方がうまいと思います。

本書は、iOSとAndroid双方について書かれています。どちらから一方しか提供しない人にとっても、他のOSについての内容は勉強になります。

チャプター

全13チャプターのタイトルを読むと、大体の内容が想像できると思います。

Ch1 アプリを取り巻く市場環境
Ch2 アプリ制作・運用の基礎知識
Ch3 企画の立案
Ch4 マネタイズ
Ch5 アプリの設計
Ch6 プロトタイピング・モック検証
Ch7 開発ディレクション
Ch8 開発・デザインツール
Ch9 ストアへの提出
Ch10 公開時のプロモーション
Ch11 運用データの取得
Ch12 運用データの活用
Ch13 メンテナンスとサポート

1チャプターに8項目ぐらいあり、それぞれ数ページです。

一見すると、アプリ開発本のようですが、プログラミングは全く登場しません。あくまで良いアプリを提供する方法について書かれています。プロジェクトマネジメント的な内容に突っ込んでいるところはあります。それは、この本の趣旨として必要だからです。

アプリマーケティングに必要なこととは

本書が示すアプリマーケティングは、一般的な商品マーケティングとは異なっています。チャプターの一覧を見るとおわかりのように、極端にいえば、アプリ企画からエンディングまでです。普通、売ることにこだわってしまいますが、アプリ販売を商売とするときにトータルで必要なことが書かれています。

そのため、アプリプログラミング本に必ず書かれているCh9のようなことも書かれています。しかし、ストアの情報は、マーケティングツールとしても有用なのです。

多くの知見

本書は、現在アプリ開発者が利用可能な多くのサービスやツールを紹介しています。これからアプリ開発を行う方には必須の情報ですし、すでに開発されている方にとっても、知らない物があるはずです。それらのサービスやツールの写真や画像も多用しており、非常に視覚的で読みやすい本になっています。

すべてのアプリ開発に関わる方にオススメです。


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