便利で簡単なSpring Bootの数少ない入門書 | [書評]SpringBootプログラミング入門

SpringBootプログラミング入門
著者: 掌田 津耶乃
ISBN:4798045659 / 発売日:2016-02-18
出版社.: 秀和システム

Spring Bootでソフトウェアの半自動開発

Spring Bootは、JavaではおなじみのSpring Frameworkをベースに拡張したものです。より簡単に動作可能なWebアプリケーションを作成するための方法を提供してくれます。

Spring Frameworkを使用するには、あれやこれはのXMLファイルを作成するので、途中で「昔のPOJOがいいや」と思った人もいるかもしれません。Spring Bootでは、XMLファイルは不要です。

本書の帯に「ソフトウェア自動開発」と書かれています。しかし、よく読めば、自動開発だけでは、実務上足りないので、そこはご注意願います。

本書の構成

本書の構成は次ようになっています。

Chapter 1 Spring開発のセットアップ
1.1 サーバー開発とSpring Boot
1.2 Spring Framework開発環境の準備
1.3 STSを使おう
1.4 プロジェクトの作成から実行まで
Chapter 2 Groovyによる超簡単アプリケーション開発
2.1 Groovyで開発するアプリケーション
2.2 Thymeleafを利用する
2.3 ビューとコントローラーの連携
Chapter 3 JavaによるSpring Boot開発の基本
3.1 Spring BootとSpring Starterプロジェクト
3.2 RestControllerを利用する
3.3 ControllerによるWebページ作成
Chapter 4 テンプレートエンジンを使いこなす
4.1 Thymeleafをマスターする
4.2 構文・インライン・レイアウト
4.3 そのほかのテンプレートエンジン
Chapter 5 モデルとデータベース
5.1 JPAによるデータベースの利用
5.2 エンティティのCRUD
5.3 エンティティのバリデーション
Chapter 6 データベースアクセスを掘り下げる
6.1 EntityManagerによるデータベースアクセス
6.2 JPQLを活用する
6.3 Criteria APIによる検索
6.4 エンティティの連携
Chapter 7 Spring Bootを更に活用する
7.1 サービスとコンポーネント
7.2 覚えておきたいそのほかの機能
7.3 MongoDBの利用
Chapter 8 Spring Tool Suiteリファレンス
8.1 STSの基本設定
8.2 開発を支援する重要なメニュー

本書の良い点

一通り、Spring Bootを使う上で必要な知識が書かれています。特に、Spring Framework、Spring MVC/Rooとの関係については間違えないように詳細に書かれています。

入門書ですので、初めてSpring Bootを使用する人がすぐに始められるように、環境構築から、コーディングなしの”Hello World”まで一気に進むので、とりあえずつかみはOKでしょう。その後、実務では必要になるアノテーションベースのコーディングについて解説が行われています。ソースコードは、本書のサポートサイトからダウンロード可能になっています。

データベースについてはMongoDBに限定

実務よりは、より早くWebアプリケーションを構築するという趣旨で本書は書かれています。そのため、データベースについてはNoSQLであるMongoDBしか登場しません。その他のDBについては、入門を終えた後に挑戦というところだと思います。

開発環境について詳しく書かれている

Spring Bootで使えるEclipseベースの開発環境が提供されています。本書では、冒頭、文中のそこかしこ、最後のChapter 8の中で、開発ツールについて詳しく説明しています。この手のプログラミング本で、ここまで開発環境の使い方について詳細に書かれたものを見たことがなかったので、特異な部類に入ると思います。

Spring Bootって覚える必要あるの?

案件次第というところでしょうか。どうしてもJavaで開発することが前提となっている場合、Spring Frameworkを生で使うよりは、Spring Bootを使用した方が良いと思いました。ですので、Javaプログラマの方は、Spring Bootの概要レベルは本書を読んで押さえておいた方が良いと思います。

SpringBootプログラミング入門
著者: 掌田 津耶乃
ISBN:4798045659 / 発売日:2016-02-18
出版社.: 秀和システム

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