社会人なら押さえておきたい日本の神道 | [書評]知っておきたい日本の神道

知っておきたい日本の神道
著者: 武光 誠
ISBN:4044057125 / 発売日:2013-09-25
出版社.: 角川学芸出版

日本人にとって神道は日常に溢れているもの

日本人は太古の昔から、精霊崇拝や先祖崇拝、自然を尊ぶなど、日常に常に感謝をして生きる文化を持っていた。これは宗教観というよりも、生き方や価値観に近く、どうして自分が今生きているのかを自然から読み取るなどを当たり前のようにやってきた民族であったと解説しています。

未だに続く日本の伝統芸や、初詣など、神道の考えから派生したものも多く残り、自然や先祖を尊ぶ心は当たり前のように根付いています。他の一神教といわれる宗教とはまた異なり、厳しい戒律なども持たず、今を精一杯生きる生き方を教えてくれる一冊です。

神社と神道の歴史

大和朝廷によって氏神の祭祀は大王の祭祀の元に組み込まれていった

大和朝廷が出現する前は日本各地にそれぞれの神様がいた。田の神様、山の神様、海の神様など、いわゆる八百万の神々を祭り毎日のように宴を行い祭りごとによって日常を豊かなものにしていった。人の死はその地域を守ってくれる霊魂の一つとなり、氏神となりその地をさらによくしてくれると信じらえていたらしく、これが日本人の良心につながっている。

日本人の分化の背景を知ることで素晴らしい想いを知ることができました。ただ、大和朝廷が介入することで、日本各地にあった氏神は体系に組み込まれ、のちのち伊勢神宮や出雲大社などに変化していくことも説明されており、とても興味深く日本の歴史を知ることができました。

日本固有の道徳

巻末のまとめの章では日本人の独特の道徳はどうして生まれたのかがより詳しく解説されています。日本のような多神教・精霊崇拝文化は世界でも稀であり、それが独特の世界観につながっているようです。

他の宗教との相違点が多すぎて文化を理解し合えないことの背景が分かり、それが他の世界感を持った世界各国の分化を理解する一つの材料になると感じ、神道だけではなく宗教との関わり方なんかも学ぶことができました。

知っておきたい日本の神道
著者: 武光 誠
ISBN:4044057125 / 発売日:2013-09-25
出版社.: 角川学芸出版

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