その身を削って勤め上げた騎士人生、思い残すことはただ美食のみ | 読むと旅に出かけたくなる本
その身を削って勤め上げた騎士人生、思い残すことはただ美食のみ
辺境の老騎士 より
少し前に話題になった、いわゆる異世界食レポ作品です。主人公は体力の限界諸々で現役を引退した老騎士。とてもグルメなおじいちゃんで、どうせ老い先短いならまだまだ知らない各地の美味いものを食べに旅に出るぞ、というようなお話です。漫画などでモンスターやスライムを調理して食べる作品などは読んだことがあるのですが、やはり魅力は「終活の旅」でしょうか。
実際は2巻3巻と続くのでまだまだ元気なおじいちゃんですが、旅を続けていく中で、もう必要ないと思っていた小さな絆や思わぬ出会い、そして美味しい料理からささやかな生きる喜びを噛みしめるさまは、年老いた主人公だからこそなのかなと思います。
毎日あくせく働いている自分にとって、それまでの住処に何の未練も残さず、身一つで旅に出て、その日出会ったものだけを糧に生きていく、という生き方にやはり憧れます。やれと言われても、たぶん無理でしょうけれど(笑)
回答者:30代 女性
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