旅を通して、さまざまな価値観との出会いが、新鮮な気持ちにさせてくれる小説

キノの旅 より

「キノの旅」は主人公”キノ”がしゃべるモトラド（バイク）”エルメス”とともに世界中を旅するお話です。キノはいろんな国を旅する中で、その国独特の歴史や文化、住民とめぐり会います。科学技術が進んだ国、全てを多数決で決める国、戦争を回避する方法をあみだした国、等々。

一見、良い国に見えて実はとんでもない欠点を含んでいたり。逆に悪い国に見えてその中で生きていく希望を見出している住民もいたり。また、歴史や文化の異なる国では、ものの見方もことなり、ある国では悲しみの歌としてあつかわれたものが、別の国では預言書として解釈されていたり。読んでいると人間のものの価値観の違いが浮き彫りになり、考えさせられたり、思い知らされることがたくさん出てきます。

キノ達はさまざまな国をめぐり、さまざまな価値観とめぐり会いますが、決して旅をやめてどこかの国に永住し、そこの価値観に染まろうとはしません。そんなキノ達の姿を見ていると自分も旅に出たくなります。”人は誰でも空を行く鳥を見るとさ、旅に出たくなるそうだ…”

回答者：30代 男性