切なさの中にも心に染みるエピソード満載で、日常に疲れた時に読んでほしい | 読むと旅に出かけたくなる本
切なさの中にも心に染みるエピソード満載で、日常に疲れた時に読んでほしい
言の葉の庭 より
靴職人を目指す男子高校生と、少しミステリアスな大人の女性が雨の日の午前だけ新宿御苑の東屋で一緒に過ごす中で、お互い迷いながら新しい一歩を踏み出そうとする小説で、読み終えた後に梅雨も含めて四季折々の新宿御苑に行ってみたいと思える作品です。
物語の中で大きな存在感を放っている新宿御苑ですが、みやびやかな風景が売りの公園ですので、春夏秋冬それぞれの季節ごとに様々な顔を見せてくれることと思いますが、その中でも雨の日の新宿御苑に最も魅力を感じてしまう作品です。
どうしても雨と聞くと「嫌だなあ」「うっとおしいなあ」と思いがちですが、この「言の葉の庭」を読んだ後は、「雨も悪くない」と感じることができました。物語の中でしばしば登場する雨の中での新宿御苑の東屋で主人公たちと同様に雨の音を聞きながら、大切な人との思い出を刻んでみたいと感じる一冊になっています。
回答者:30代 男性
あわせて読みたい