ついしん どーかついでがあったらうらにわのアルジャーノンのおはかに花束をそなえてやってください | 本で出逢った感動の名言

アルジャーノンに花束を
著者: ダニエル キイス
ISBN:4152033932 / 発売日:1989-04
出版社.: 早川書房

本で出逢った名言・名セリフ

ついしん どーかついでがあったらうらにわのアルジャーノンのおはかに花束をそなえてやってください

アルジャーノンに花束を より

そのセリフに感銘を受けた理由

この一文だけでは意味が全く分からないかもしれませんが、この作品は全てこの最後の一行のためだけに存在すると言っても過言ではないと思います。障害を持って生まれた主人公がとある実験の被験体となり、徐々に『人間性』を獲得し、生きることのあらゆる楽しみと悲しみを体験していきます。

例えば今まで全く読めもしなかった本を読み、勉学の楽しみに惹かれていきます。自分を診てくれていた女性に恋をしていきます。しかしそれも結局は一時的なものに過ぎず、知能が低下してまた同じ場所へと戻っていくのですが、私にはこれは人生そのもののように感じられるのです。

この一行はまさに主人公の最期の人間的な言葉であり、徐々に自身が自身で無くなっていくことをうっすらと自覚しながら、最後に主人公が記したこの言葉です。アルジャーノンがいたからこそ、彼は人間らしい心を、感情を、生を体験することができたことを考えれば、この一言こそが彼が生きた証なのだと私は感じました。

回答者:20代 女性

アルジャーノンに花束を
著者: ダニエル キイス
ISBN:4152033932 / 発売日:1989-04
出版社.: 早川書房

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