朝になれば、また私は店員になり、世界の歯車になれる。そのことだけが、私を正常な人間にしているのだった。 | 本で出逢った感動の名言

コンビニ人間
著者: 村田 沙耶香
ISBN:4163906185 / 発売日:2016-07-27
出版社.: 文藝春秋

本で出逢った名言・名セリフ

朝になれば、また私は店員になり、世界の歯車になれる。そのことだけが、私を正常な人間にしているのだった。

コンビニ人間 より

そのセリフに感銘を受けた理由

完全マニュアルのコンビニの規則に沿って生きることで、一般的に言う「普通の人」としての生き方ができる主人公の心の言葉に、自分の常識がゆらぐ気がしました。私は普通の人と思われることがなんだか嫌で私は個性的な人間だということをアピールしながら、人と同じ選択は避けて生きてきたつもりですが、社会から外れてしまう孤独感には耐えられないので、人とずらしながらもやっぱり世界の歯車として生きてくしかないなあと思っています。

でも、自然に何となく皆回りに気を使って人と足並み揃えて生きていくのが「正常な」生き方だとされるけど、本質的には人間一人一人全然違う生き物なのだから、正常に正しく人に合わせていきることを強いられる不器用で個性的な人って辛いよなあと思います。

何か人の基準に沿っていることが正常なのだとしたら、皆自分自身のアイデンティティーは人に決めてもらわないといけないのかと疑問に思い、この日常生活の成り立ちを根源から問われている気がしました。

回答者:30代 女性

コンビニ人間
著者: 村田 沙耶香
ISBN:4163906185 / 発売日:2016-07-27
出版社.: 文藝春秋

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