【ベルサイユのばら】少女漫画の枠を超えて、歴史への興味を掻き立ててくれる名作 | おすすめ漫画感想


あまりにも有名な作品ですが、改めて読み返すと本当に名作だと思います。ブルボン王朝最後の時代を背景に主人公オスカル、マリー・アントワネット、ルイ16世やフェルセンなど登場人物立ちのドラマチックな人生が絡んでゆく壮大な物語で、単なる少女漫画の枠を超えていると思います。

男として育てられ、女性でありながら軍人であるという架空の人物を主人公としていますが、彼女と関わるアントワネットやルイ16世らの人生を通じて、当時のフランスの世相や革命に至るまでの道筋、ロアン大司教らも登場する首飾り事件など、実際に起きたスキャンダルなどいろいろなことを知ることができます。

また、悪女として語られがちなマリー・アントワネットが、悪意のためでなくただ浅慮のために自らの地位を危うくしたという描かれ方をしているところも好きです。主人公は物語の途中で死んでしまいますが、彼女が死んで後も革命に翻弄される王族たちの姿をきちんと描いていて興味深いです。最後は悲しい終わり方ですが、歴史物語として十分な読み応えです。

回答者:30代 女性


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