この本は寡黙な夫と夫に従順だった妻の老夫婦のすれ違いを軸に、37歳独身の末娘の恋愛と老夫婦の過去を織り交ぜながら物語が進んでいきます。飼い猫の「チビ」がいなくなる事で老夫婦の気持ちがすれ違い、夫の不倫疑惑から果ては離婚！？と話は進みます。

始めは夫の不器用さや言葉の足りなさにモヤっとして妻が可哀想に思えるのですが、物語が進むにつれ、夫の妻を思う気持ちがジワジワと胸にきます。寡黙で不器用な夫と優しく従順な妻のすれ違い、そんな夫婦は自分の親世代ではよくいそうですよね。老夫婦が自分の両親と重なるところがあり親近感を持って読めました。

夫の後ろ姿が良く描かれてるのですがその時その時の感情が伝わってくるので最後のページは感慨深いものがありました。深く考えずに読めてとても温かい気持ちになれるので、オススメです。

回答者：20代 女性