【獣の奏者】実力作家による異世界ファンタジー作品をコミック化、原作ファンも納得の名作 | おすすめ漫画感想

獣の奏者(1)
著者: 上橋 菜穂子
ISBN:4063731766 / 発売日:2009-05-22
出版社.: 講談社

上橋菜穂子による同名の異世界ファンタジー小説『I 闘蛇編』『II 王獣編』をコミカライズしたのがこの漫画。

今回取り上げたコミックはその第1巻で実際は11巻で完結しています。原作者は日本児童文学者協会賞(2000)や国際アンデルセン賞(2014)など数多の受賞歴を持ち、原作も2009年に「獣の奏者 エリン」というタイトルです。アニメ化していることから小説をご存じの方も多いかもしれませんが、おそらくあまり世に知られていないこの漫画版をぜひとも読んでいただきたいです。

漫画を描いた武本糸会さんは有名な方ではありませんが、真摯で素朴な素描から生み出される自然の美しさや生命の躍動感、圧倒的世界観の構築は有無を言わさず作品中に読む者を引きずり込みます。原作のクオリティが高ければ高いほどその良さを活かしつつ別の切り口で魅せるというのは困難を極めていくものですが、この漫画ではそれを見事に乗り越え、原作ファンのみならず原作者でさえも唸らせる大作となっています。

主人公・エリンと苦楽を共にして辿り着く最終巻のあのカタルシスは言葉に出来ません。まさしく隠れた名作だと思います。

回答者:30代 女性

獣の奏者(1)
著者: 上橋 菜穂子
ISBN:4063731766 / 発売日:2009-05-22
出版社.: 講談社

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