この本は報知新聞社に所属している北野新太さんという記者がＷＥＢに「いささか私的すぎる取材後記」として書いたものを編集してある本です。タイトルからも分かるように将棋棋士を題材としており、新聞記者として、仕事として棋士と関わっていく中で生まれた北野さんの感情や知った事、思った事が記者としてではなく、人間北野新太として綴られています。

その中で彼は「私は”ただ”思っていた。～中略～誰かに伝えたいと」と書いています。出来事を記し、伝えることを生業としている筆者が、目的も狙いもなく「ただ思いを伝えたい」という純粋さに、北野さんの書く文章の熱量の理由が見えてきて、読んでるこちらも同じ熱を感じさせられ、本を通じて描かれる棋士の姿にあてられてしまうからです。

回答者：30代 男性

本で出逢った名言・名セリフ

私はただ思っていた。取材のつもりはなかったけれど、今、自分が抱いている思いや、勇敢だった挑戦者のことを誰かに伝えたいと。

透明の棋士 より