とてもストレートで、何も誤魔化していない言葉だと思いました。これは母親が、小学校五年生の息子に伝えた言葉なんですけど、とても簡単な言葉なのに、こんなにも子どもにとって心強い言葉ってないと思うんです。小学校五年生って、大人が思っているよりもずっと大人で、でもずっと子どもだと思うんです。

実はいろいろ悩みがあって、でも答えを出せるほどの経験もないし、達観できるほど図太くないし。大人になるまでにきっといろんな壁にぶつかって、そんな時に絶対的に必要なのは、自分を肯定できる力なんじゃないかと思うんです。そしてそれは、注がれた愛情で育まれるものだと思います。

それに勝るものはないと。「私があなたを愛してる、他に何がいる？」確かに十分です。そして、親がどれだけ子どもを愛しているかを伝えるのはそんなに簡単じゃありません。伝え方もよくわからないんです。子どもが「愛されてたんだなぁ。」とわかってくれるのってずっとずっと先なんじゃないでしょうか。

でもこの本で、この言葉を読んだ時に、目の前の事はちょっと横に置いてでも、誤魔化さず、気持ちきちんと伝えればきっと伝わるとも思えました。私にも息子がいて毎日育児に奮闘しています。

大人げなく怒ってしまう事もあって、自己嫌悪におちいる事もしょっちゅうですが、とりあえずギュッと抱きしめてどれだけ愛しているか伝えていく毎日にしよう、と思えた言葉です。

回答者：30代 女性

本で出逢った名言・名セリフ

「母さんは、誰よりも育生が好き。それはそれはすごい勢いであなたを愛してるの。今までもこれからもずっと変わらずによ。ねえ。他に何がいる？それで十分でしょ？」

卵の緒 より