記憶力向上のテクニック100選 | [書評]ホイホイ記憶術

ホイホイ記憶術
著者: 多湖 輝
ISBN:4777127214 / 発売日:2014-11-18
出版社.: ゴマブックス

「自分は記憶力がない」

そんな悩みをお持ちの方もいらっしゃると思います。また、そこまで悩んではいなくても「もっと記憶力があればいいのに」という願望をお持ちの方は多いと思います。

大学受験や資格試験、ビジネスの現場から日常生活まで、あらゆる場面で記憶力は必要とされています。近年、インターネットの「検索」の技術が著しく発達していますが、すべての物事をデータベース化していちいち検索するわけにもいきませんので、まだまだ記憶することの重要性が色褪せることはありません。

本記事で紹介する著書『ホイホイ記憶術』は、勉強法・記憶法について多数の著書を出しておられる多湖輝さん(千葉大学教授・心理学専攻)が書いた本で、記憶力を高めるテクニックが多数掲載されています。

「憶えられる」と自分に言い聞かせると、記憶力は増す。

そんなことで本当に記憶力が増すのか?と疑われる方も多いと思います。

この疑問に対して筆者は以下のように説明しており、科学的に立証された知見だと主張しています。

記憶にとってもっともたいせつなことは、記憶できるのだと自信をもつことです。自信がないと、脳細胞の活動に抑制がかかり、細胞活動が低下して、記憶力が鈍くなることは生理学でも証明されています。これを心理学では、「抑制効果」と呼んでいますが、自信がない→脳活動が抑えられる→憶えられない→自信がさらになくなる、という悪循環におちいっていくわけです

確かに、心理学以外でも思い込みが人体に影響を及ぼす例は報告されています。有名なのは、偽薬(プラシーボ)効果ですね(ただのラムネ菓子を医者が「これは薬です」と言って処方したところ、それを信じて飲み続けた患者の病気が治った事例がある)。人間の信じる力は私たちが思っている以上にすごいパワーを持っているようです。

記憶は使うことによって、より確実になる

記憶をたえずフレッシュに保つには、インプットだけでなくアウトプットすることも必要だといいます。

記憶は、財布の中のお金や貯水槽の水と違って、使えばそれだけ減るというものではありません。それどころか、使うことによって、つねに記憶の内容がチェックされ、不完全な記憶は補強されて、いつでも必要に応じて引き出せるような臨戦態勢が整えられるのです。

確かに、毎日使う会社のPCのパスワードは憶えているけど、たまにしか使わないウェブサービスのパスワードは忘れてしまっていることが多いです。よく考えれば当たり前のことのように思えますが、この脳の仕組みを意識的に利用することで、憶えたいことを確実に定着させることができます。

本書はこの他にも、記憶力を高めるためのテクニックが1パラグラフに1つ、計100個以上紹介されています。

記憶力は全ての人があらゆる場面で必要とする能力です。記憶力を向上させたい方はぜひ本書を手にとってみてください。

ホイホイ記憶術
著者: 多湖 輝
ISBN:4777127214 / 発売日:2014-11-18
出版社.: ゴマブックス

あわせて読みたい