簿記を知るために最初に読むべき本 | [書評]新装版 世界一感動する会計の本です【簿記・経理入門】


ビジネスパーソンが簿記を知るべき理由

経理担当に限らす、ビジネスパーソンなら基本的な「簿記」の考え方を知っておくべきです。「経理」については、そこまでは不要かもしれませんが、簿記は別。社会人なら、費用対効果、つまり原価に対する収益は意識するべきです。それは、管理職はもとより、担当レベルでも。

そうでないと、売れそうにないものにとんでもない工数をかけて製品開発してしまいます(経験者語る..)。大企業であれば、売れ筋製品で赤字をカバーできるのですが、ベンチャーや、中小企業では無理です。また、某国内ビジネススクールの卒業条件には、「簿記3級」を取ることとなっていますので、重要性がうかがえます。

簿記を勉強するにはまずこの本から

著者は、「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」で有名な山田真哉さんです。さすがベストセラー作家と言える、本書の内容になっています。

読者対象者はどのような人か、冒頭に次のように書かれています。

・これから初めて「経理」について勉強する人
・「簿記」と聞くとドキドキしてしまう人
・「世界やさしい会計の本です」を読んでもっと勉強したくなった人

「世界やさしい会計の本です」は、私は読んでないですが、上記の通りとすると、「世界やさしい会計の本です」が初心者用、本書が初級用なんだと思います。

本書は、イラストをふんだんに利用していて読みやすく、またほとんどの部分をあるヨーロッパの「たまごの国」の二人の少年を主人公に書かれていて、物語として気楽に読めます。課外授業として、実際の計算を行うところもありますが、そこまで無理に頑張る必要はないです。読み流してください。

この本のポイントは、私の経験から以下のように判断します。
・仕訳の意味を知る
・複式簿記を理解する

タイトルにあるように「経理入門」でもありますので、減価償却とか決算書とか試算表とか登場しますが、最悪無視してもいいです。上記のポイントさえ理解しておけば、簿記の先に進めます。著者曰く、

「それに『複式簿記』はとても不思議で面白い世界だからなあ。」

です。まさにその通り。

最後に

この本の簿記の範囲は、簿記3級の商業簿記です。簿記2級で追加される工業簿記の範囲については、書かれていません。まったくそれで良いと思います。

この本の有用性は、先の通り「仕訳と複式簿記を簡単に理解出来る」ことにあるからです。簿記の勉強をしたいと思う方は、ぜひこの本を読んでから、簿記3級、2級の専門書を買って勉強してください。容易に理解が進むはずです。これは私の経験から言えることです。


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