【書評】博士を取り巻く、春の雨のような穏やかさがとてもいいです。 | 博士の愛した数式

博士の愛した数式
著者: 小川 洋子
ISBN:4101215235 / 発売日:2005-11-26
出版社.: 新潮社

この本は実用書ではないので、生活面で作業する際に何か役に立ったりするわけではありません。ただこの本を読むと、私の心の中が静寂と温かみに満たされて、日々の悩み事がすっと消えていく点で、とても役に立っています。

博士のいる離れの薄暗くて柔らかい雰囲気、主人公とルートの穏やかな心遣い、その一つ一つがゆっくりととげとげした気持ちを癒してくれる気がします。そんな穏やかな空気間の中スパイスのように繰り広げられる数学の話。小説を読んでいる途中で主人公と一緒に何も考えずに夢中で数式を追い、頭をリフレッシュすることができるこの本は、どんなサロンよりも私のストレス解消に役立っています。

学生時代、数学は追い立てられるように詰め込み、必死に覚えた思い出がありますが、この本を先に読んでいればもっと数字を柔らかく楽しむことができたのかもしれません。これから数学と出会う娘にもこの考え方を教えることができそうなことも、私の人生において役立った点であるともいえるでしょう。

回答者:30代 女性

博士の愛した数式
著者: 小川 洋子
ISBN:4101215235 / 発売日:2005-11-26
出版社.: 新潮社

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