【書評】アメリカを通して日本という国が見えてくる。 | アメリカ素描

アメリカ素描
著者: 司馬 遼太郎
ISBN:4101152365 / 発売日:1989-04-25
出版社.: 新潮社

司馬さんが行った二回のアメリカ旅行を元に書いた紀行文です。

文明というものを誰でも参加できる普遍的で合理的な、そしてどこかイカした雰囲気のあるもの。文化をその地域のみにしか通用しない不条理で息苦しい習慣のようなもの、と定義し、その視点を元に自分が体験したアメリカを本の題名道理に描写していきます。今読むと書かれた時代が1980年代と少し古くはありますが、司馬さんがとても優しくも鋭い視点で解説してくれるアメリカという文明の国は、間違いなく今の日本につながっています。

今の、日本にどこか息苦しさを覚える人には、この本を読む事で今の日本をどう読み解いていくか、そして、どう生きていくかに間違いなく一役買ってくれます。旅行中、アメリカの学生から、日本は「英雄のいない国ですね。」と非常に好意的に言われたことについて、の司馬さんの解説が正に日本という国を言い表していて、非常に印象的でした。

回答者:30代 男性

アメリカ素描
著者: 司馬 遼太郎
ISBN:4101152365 / 発売日:1989-04-25
出版社.: 新潮社

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