[書評]10年後、生き残る理系の条件

10年後、生き残る理系の条件
著者: 竹内 健
ISBN:4022511370 / 発売日:2016-01-20
出版社.: 朝日新聞出版

本書は、大手電機企業のエンジニアであり研究者でもあった著者が、そこにいて経験してきたことや退職してから第三者として見えてきたことから、エンジニアとしてこれからの時代を生き残るための様々なアドバイスについて書かれています。

著者はそれを現役のエンジニアや研究者に向けて伝えようとしていますが、エンジニアを目指す学生やエンジニア以外の様々な職業においても参考にすることができる幅広い観点による内容のアドバイスとなっています。批評でも精神論でもない内容に好感が持てると書評されている通り、第4章までの各章においては細かい分類によって文章が構成されており、それぞれが筋道が立った説明となっています。

大企業に入社してから評価されることは何であるかや、理不尽なことがあったときになぜそのようなことになるのかということなどが書かれており、そこからわかる大企業の仕組みについても説明されています。日本の製造業は今どのような状況であり、どのような経緯を経て現在に至っているのかということについても、著者の目から見た日本の企業のあり方を説明により書かれています。

その中で、今必要なのは企業での組織や常識にとらわれない人材とあります。エンジニアとは技術のパイオニアですが技術だけにあらず、これから先は間接的なアピールではなく直接的に自分をアピールする方法を知ることが必要となるであろうと考えられています。

著者がこの作品の中で最も力を入れて説いている点には、自分をアピールするためには理系ではなく新たに文系を学ぶ必要があると説いているところです。これは、技術だけのプレゼンだけではなく言葉の力でも伝えるべきことを伝えていくということです。

タイトルの通り、これから先に自分がどのように進んでいくべきかということについて説明されていますが、所々に著者の企業に対する気持ちや思いなども込められています。

10年後、生き残る理系の条件
著者: 竹内 健
ISBN:4022511370 / 発売日:2016-01-20
出版社.: 朝日新聞出版

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